動悸がする原因とは?病院を受診すべき症状と目安
はじめに:最近「動悸がする」と感じて不安な方へ
「突然、心臓がドキドキする」
「脈が飛ぶ感じがして、不安になる」
「でも、病院に行くほどなのか分からない」
こうした動悸の症状に悩みながら、
「様子を見ていいのか」「受診すべきなのか」
判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。
動悸の多くは一時的なものですが、
中には放置すると注意が必要な病気が隠れているケースもあります。
動悸は、疲労や緊張など一時的な体調変化で起こることもありますが、場合によっては不整脈や心不全など循環器の病気が関係していることもあります。
特に、健康診断で心電図異常を指摘された方、すでに心臓の病気で通院中の方、そのご家族にとっては、見逃してはいけない症状です。
この記事では、循環器内科の立場から
- 動悸がする主な原因
- 危険な動悸の特徴
- 病院を受診すべき目安
- 何科を受診すればよいのか
を、医学的根拠に基づいて分かりやすく解説します。
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動悸がする原因とは?基本的な考え方
なぜ「動悸」は問題になるのか
動悸とは、普段は意識しない心臓の動きを「ドキドキする」「脈が乱れる」と感じる状態を指します。
通常、心臓は安静時に1分間およそ60〜100回程度、規則正しく拍動しています(運動習慣のある方では、これより低い値でも問題ないことがあります)。しかし、以下のような変化が起こると、動悸として自覚されやすくなります。
- 心拍数が速くなる
- 脈のリズムが不規則になる
- 心臓の収縮が強く感じられる
動悸の原因は大きく分けて2つあります。
【一時的な原因】
- ストレス、緊張
- 睡眠不足
- 発熱、脱水
- カフェインの摂りすぎ(コーヒー・エナジードリンク等)
- 飲酒後、喫煙後 など
【病気が関係する原因】
- 不整脈
- 心不全
- 狭心症(主に胸痛が症状となることが多い)など
ただし、心筋梗塞では強い胸痛が主症状となることが多く、動悸は付随症状として現れる場合があります。
日本循環器学会のガイドラインシリーズでも、動悸は不整脈でみられる代表的な自覚症状の一つとされ、症状の経過や併存症などを踏まえた評価が重要とされています(出典:日本循環器学会ガイドラインシリーズ)。
生活や健康に与える影響
動悸が繰り返し起こると、
- 不安感や緊張が強くなる
- 夜間の動悸による睡眠障害
- 外出や運動を避けるようになる
など、生活の質(QOL)が低下することがあります。
また、特に心房細動では、心臓内に血栓ができやすくなり、脳梗塞のリスクが高まることが知られています。これは日本循環器学会および厚生労働省の循環器病対策でも重要視されています(出典:厚生労働省「循環器病対策推進基本計画」)。
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動悸が起こる仕組みと医学的背景
心臓は、洞結節と呼ばれる部位から発生する電気信号によって、一定のリズムで拍動しています。この電気信号が心房から心室へと正しく伝わることで、規則正しい心拍が保たれています。
しかし、
- 電気信号の発生が異常になる
- 伝わり方が乱れる
といった状態になると、不整脈が生じ、動悸として感じられます。
国内外ガイドラインでの考え方
日本循環器学会、厚生労働省、WHO(世界保健機関)では、循環器疾患が世界的な主要死因であることから、心臓に関わる症状を軽視せず、早期に評価する重要性を強調しています。
WHOの循環器疾患に関する報告でも、心疾患は世界的に主要な死亡原因であり、早期発見・早期介入の重要性が強調されています(出典:WHO Cardiovascular diseases fact sheet)。
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動悸がする場合に考えられる主な原因
循環器疾患が関係するケース
以下のような病気では、動悸が主な症状として現れることがあります。
- 不整脈(心房細動、期外収縮、上室性頻拍など)
- 心不全
- 狭心症・心筋梗塞
- 心臓弁膜症
これらは、心電図検査、ホルター心電図(24時間心電図)、心エコー検査などを組み合わせて評価します(出典:日本循環器学会 各種ガイドライン)。
不整脈が心配な方は 不整脈の診療案内ページ も参考にしてください。
一時的・非心臓性の原因
一方で、以下のような心臓以外の要因でも動悸が起こることがあります。
- 強いストレスや緊張
- 睡眠不足
- 発熱や脱水
- 貧血
- 更年期による自律神経の変化
- 甲状腺の病気(甲状腺機能亢進など)
- 低血糖
- 薬の影響(気管支の薬など)
ただし、「一時的だから大丈夫」と自己判断せず、症状の頻度や経過を確認することが重要です。
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どのくらいで病院を受診すべき?目安と判断基準
すぐに受診を考えたほうがよい症状
以下の症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することが勧められます。
- 動悸と同時に息切れや胸痛がある
- めまい、ふらつき、失神を伴う
- 動悸がしばらく続く、または頻繁に繰り返し起こる
- 安静にしていても症状が出る
これらは、不整脈や心不全などが関係している可能性があります(日本循環器学会)。
特に注意が必要な方
次に当てはまる方は、症状が軽くても受診を検討してください。
- 65歳以上の方
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある方
- 心臓病の既往がある方
- 健診で心電図異常を指摘された方
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動悸がする時は何科を受診すればいい?
基本は「循環器内科」
動悸の原因を正確に評価するためには、心臓に関する専門的な検査が必要です。そのため、循環器内科の受診が適しています。
病院で行われる主な検査
- 心電図検査
- ホルター心電図検査
- 心臓超音波検査(心エコー)
- 血液検査(BNPなど心不全評価)
詳しくは心電図検査・ホルター心電図検査についてのページもご覧ください。
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注意点|様子見でよいケースと危険なサイン
一時的に様子を見る場合
- 明らかな誘因(緊張、寝不足など)がある
- 数分以内に自然に治まる
- 繰り返し起こらない
このような場合でも、症状が続く場合は受診を検討しましょう。
放置してはいけないサイン
- 夜間や安静時に起こる動悸
- 症状が徐々に強くなる
- 意識が遠のく、失神する
これらは、早急な医療評価が必要です。
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名古屋市南区・桜本町で動悸に不安がある方へ|受診のご案内
名古屋市南区・桜本町周辺で、
「動悸がする」「どの病院に行けばいいか分からない」
とお悩みの方は、循環器内科への相談をご検討ください。
当院では、
- 動悸の原因精査
- 心電図・ホルター心電図・心エコー検査
- 必要に応じた専門医療機関との連携
を行っています。
循環器内科
最大2週間できる長期間ホルター心電図について
12誘導ホルター心電図について
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よくある質問(FAQ)
Q1. 動悸が一瞬だけ起こるのは病気ですか?
A.
「一瞬だけだから大丈夫かな?」と悩む方はとても多い症状です。
一瞬だけ「ドキッ」とする動悸は、期外収縮と呼ばれる一時的な不整脈によることが多く、多くの場合は良性で、健康な方にも起こります。
睡眠不足やストレス、カフェイン摂取がきっかけになることもあります。
ただし、以下に当てはまる場合は注意が必要です。
- 回数が増えてきた
- 動悸の強さが増している
- めまいや息切れを伴う
Q2. 動悸と息切れが同時に起こるのは危険ですか?
A.
動悸と息切れが同時に起こる場合、不整脈や心不全が関係している可能性があります。
特に、安静時や夜間にも症状が出る場合は注意が必要です。
症状が軽くても、早めに心電図や心エコー検査を受けることで原因が分かることが多いため、受診を検討しましょう。
Q3. ストレスだけでも動悸は起こりますか?
A.
はい、起こります。
強いストレスや緊張により自律神経が乱れると、心拍数が一時的に増え、動悸を感じることがあります。
ただし、
「ストレスのせいだと思っていたら不整脈が見つかった」
というケースも少なくありません。
自己判断せず、症状が続く場合は医療機関での確認が安心です。
Q4. 動悸がある時、救急車を呼ぶべき目安はありますか?
A.
以下の症状を伴う場合は、ためらわずに救急受診を検討してください。
- 強い胸の痛みが続く
- 意識が遠のく、失神した
- 会話ができないほどの息苦しさ
- 突然の激しい動悸が止まらない
これらは、緊急性の高い心疾患の可能性があります。
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まとめ|動悸がする場合は早めの相談を
- 動悸は一時的なものから病気のサインまで原因はさまざま
- 危険な症状を見逃さないことが大切
- 判断に迷ったら循環器内科へ相談を
症状が続く、または不安がある場合は、早めの受診が安心につながります。
「今すぐ治療が必要かどうか分からない」
そんな段階でも、相談だけでも構いません。
動悸に不安を感じたら、早めに循環器内科へご相談ください。
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出典・参考資料
- 厚生労働省「循環器病対策推進基本計画」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31654.html
- 日本循環器学会 各種診療ガイドライン https://www.j-circ.or.jp/guideline/guideline-series/
- WHO Cardiovascular diseases fact sheet https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cardiovascular-diseases-%28cvds%29
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このコラムの監修者 植谷医院 院長 植谷忠之(うえたに ただゆき) |
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日本内科学会認定医 |
