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慢性腎臓病(CKD)

[2023.03.09]

CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%以下に低下する(GFRが60mℓ/分/1.73㎡未満)か、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を指す。 年齢とともに腎機能は低下していくため高齢になるにつれてCKD の頻度は増加する。

腎臓は腰の辺りに2個あり、そらまめのような形をした、握りこぶしくらいの大きさです。腎臓は1個が150gほどの小さな臓器ですが、心臓から送り出される血液の20%以上が流れており、毎日200ℓもの血液をろ過して、老廃物を尿として体外に排泄し、体の中をきれいに保ちます。

その他にも、体液の量や浸透圧・血圧の調整を行ったり、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルや酸性・アルカリ性のバランスを保ったり、さらには血液を作るホルモンを分泌する、骨を健康に保つ、といった多くの働きがあります。

CKD(慢性腎臓病)は、腎臓の機能(GFR)が健康な人の60%未満に低下するか、あるいは尿に異常があるなど、腎臓の異常が3か月以上続いている状態を指します。

年をとると腎機能は低下していきますから、高齢者になるほどCKDが多くなります。高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い(脂質代謝異常)、肥満やメタボリックシンドローム、腎臓病、家族に腎臓病の人がいる場合は要注意です。さらにCKDは、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の重大な危険因子になっています。

つまり、腎臓を守ることは、心臓や脳を守ることにもつながります。

  1. CKDとは何か

具体的には、腎障害やたんぱく尿などの尿異常、画像診断や血液検査、病理所見で腎臓の異常が明らかである状態が含まれます。GFRは、血清クレアチニン値をもとに推算されます。GFRが低下すると、CKDの重症度が進み、透析治療などの必要性が生じることがあります。

  1. CKDの原因は

CKDの原因は多岐にわたりますが、最も一般的な原因は高血圧や糖尿病などの基礎疾患です。これらの疾患は腎臓にダメージを与え、腎臓の機能低下につながります。これらの原因に加え下記のような条件が重なり急速に腎機能が悪化することがあります。

  • 腎臓に直接影響を及ぼす疾患(腎臓炎や腎臓結石など)
  • 腎臓の血流を妨げる疾患(腎臓動脈狭窄症や腎臓静脈血栓症など)
  • 長期間のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の使用など腎臓に毒性がある薬剤の使用
  • 高度の脱水状態
  • 外傷などでミオグロビンなど腎臓に影響を与える物質が大量に発生した場合

これらの原因が腎臓にダメージを与え、慢性的な腎臓機能低下を引き起こす可能性があります。

  1. CKDの治療について

CKDの治療は、病気の進行を遅らせることと、合併症の予防と管理が目的です。治療計画は、病気の進行のステージ、原因、合併症などによって異なります。

  • 原因治療  CKDの原因に対して適切な治療が必要です。例えば、高血圧が原因であれば、降圧剤の処方やライフスタイルの改善が必要です。糖尿病が原因であれば、適切な糖尿病治療が必要です。
  • 薬物療法  CKDには、腎臓の機能を保護するための薬物療法があります。例えば、ACE阻害剤やARBは、高血圧と腎臓の病気による腎臓の損傷を遅らせることが知られています。近年では糖尿病治療薬であるSGLT2阻害剤がCKDの進行を遅らせることが知られており、CKD治療の目的で用いられることもあります。
  • 栄養療法  適切な栄養療法は、CKDの進行を遅らせるために重要です。塩分制限など食事の制限により、腎臓にかかる負荷を減らし、尿中のたんぱく質や塩分の排泄を制限することが目的です。
  • 透析療法  進行したCKDの場合、透析療法が必要になる場合があります。透析療法には、腹膜透析や血液透析などがあります。透析療法により、腎臓が機能しなくなった場合でも体内の不純物を排出し、合併症を管理することができます。
  • 腎移植 進行したCKDの場合、腎臓移植が考慮されることがあります。腎臓移植は、腎臓が機能しなくなった場合に、他人から腎臓を提供してもらい、新しい腎臓に交換する手術です。腎臓移植は、透析よりも生活の質が改善することが知られています。

腹部超音波検査

 

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