メニュー

足の冷え・しびれに隠れたリスクとは?循環器の視点で詳しく解説

[2026.05.25]

冬場だけでなく、夏場でも「足先が氷のように冷たい」「靴下を履いても温まらない」といった悩みを抱えている方は少なくありません。「体質だから」と諦めてしまいがちな足の冷えですが、実はそこには、心臓や血管の健康に関わる重大なサインが隠れていることがあります。

本記事では、名古屋市南区の「植谷医院」院長が、循環器専門医の視点から足の冷え・しびれの原因と、注意すべき病気について詳しく解説します。

 

 足の冷え・しびれは「体質」だけではない?

多くの方は、足の冷えを感じると「冷え性」や「血行不良」という言葉を連想されるでしょう。しかし、医学的な視点で見ると、単なる自律神経の乱れによる冷えと、血管そのもののトラブルによる冷えは全く別物です。

 

一般的な「冷え性」と「血管の病気」の違い

一般的な冷え性(冷え症)は、主に自律神経の乱れや筋肉量の不足、食生活などが原因で起こります。一方で、循環器内科で警戒するのは「血管が細くなったり、詰まったりすることで血液が届かなくなる」ことによる冷えです。

以下のチェックリストで、ご自身の症状を確認してみましょう。

 
 

循環器内科が「足の冷え」を重視する理由

足は「第二の心臓」と呼ばれます。心臓から最も遠い場所にある足の血流が悪いということは、全身の血管でも同様のことが起きている可能性があるからです。 足の血管に動脈硬化が見つかった方の多くは、心臓の血管(冠動脈)や脳の血管にも問題を抱えているケースが少なくありません。つまり、足の冷えは「全身の血管の健康状態を映す鏡」なのです。

 

注意したい血管の病気「閉塞性動脈硬化症(PAD)」とは

足の冷えやしびれの原因として、循環器内科が最も注意深く診察するのが「閉塞性動脈硬化症(PAD:Peripheral Arterial Disease)」です。

 

足の血管が動脈硬化を起こすとどうなるか

動脈硬化とは、血管の壁が厚く硬くなり、内側が狭くなってしまう状態です。足の血管でこれが起こると、筋肉や皮膚に必要な酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。 初期段階では「冷え」や「軽いしびれ」として現れますが、進行すると「歩くと痛い」「安静にしていても痛い」といった症状に変化していきます。

 

放置したくない、全身に及ぼすリスクについて

閉塞性動脈硬化症は、足だけの問題では終わりません。この病気がある方は、そうでない方に比べて心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが数倍高いというデータがあります。 「たかが足の冷え」と放置してしまうことは、全身の大きな病気を見逃すリスクにつながりかねないのです。早期に気づき、専門医と相談しながら対策をしていくことが重要です。

 

この症状に心当たりはありませんか?受診の目安

もし以下の症状が一つでも当てはまる場合は、早めに循環器内科を受診することをお勧めします。

 

歩くと足が痛くなり、休むと楽になる(間欠性跛行)

これは閉塞性動脈硬化症の典型的な症状です。 歩き始めは問題なくても、数百メートル歩くと足のふくらはぎなどが締め付けられるように痛み、少し立ち止まって休むと痛みが消える。これを「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼びます。これは、運動によって必要になった酸素が、狭くなった血管を通る血流では賄いきれなくなったサインです。

 

足の指の色が悪い、傷が治りにくい

足の血流が極端に悪くなると、足先が常に青白くなったり、逆にどす黒い赤紫色になったりします。また、ちょっとした靴擦れや深爪などの傷がなかなか治らず、潰瘍(かいよう)になってしまうこともあります。

 

片方の足だけが極端に冷たい

左右の足を触り比べてみて、明らかに片方だけが冷たい場合は要注意です。血管の詰まりに左右差がある可能性が高いといえます。

 

循環器内科で行う「足の血管」の検査

「大きな検査が必要なの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。初期の診断は、痛みもなく短時間で行えるものが中心です。

 

痛みのない簡単な検査「ABI検査」

当院では、まずABI検査(足首と上腕の血圧比)を行います。 横になった状態で、両腕と両足首の血圧を同時に測定するだけの検査です。血圧の比率を計算することで、血管の詰まり具合や「血管年齢」を数値化できます。

 

超音波(エコー)検査で血流を直接確認

ABI検査で異常が疑われた場合などは、超音波検査を行います。ゼリーを塗ってプローブを当てるだけの検査で、血管の中の血流の速さや、どこがどれくらい狭くなっているかをリアルタイムで確認できます。

 

毎日の生活でできる足の血流ケア

適切な治療と並行して、日常生活でのセルフケアも非常に重要です。

  • 無理のない範囲でのウォーキング: 「歩くと痛いから歩かない」のではなく、休み休みでも歩くことで、詰まった血管の代わりに周囲の細い血管(側副血行路)が発達し、血流が改善しやすくなります。

  • 適切な靴選びとフットケア: 足の血流が悪いと傷が重症化しやすいため、足を締め付けない靴を選び、毎日足の状態を観察することが大切です。

  • 禁煙: タバコは血管を収縮させ、動脈硬化を急速に進行させます。血管を守るためには、禁煙が最も効果的な対策の一つです。

 

 名古屋市南区で「足の冷え」にお悩みなら、植谷医院へ

当院は、名古屋市南区の桜本町駅すぐという通いやすい立地にございます。

循環器専門医として、最新の知見に基づいた正確な診断を行うことはもちろん、患者様お一人おひとりの不安に寄り添い、優しく丁寧な説明を心がけています。 「この記事を読んで自分の症状が心配になった」「長年冷え性に悩んでいるが、一度血管の状態を見てほしい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

まとめ

足の冷えやしびれは、単なる寒さのせいではなく、体が発信している「血管のトラブル」のサインかもしれません。 早期に発見し、適切な対策を立てることで、足の痛みを取り除くだけでなく、将来の大きな病気を防ぐことにもつながります。 少しでも「おかしいな」と感じたら、まずは一度、専門医の診察を受けてみてください。

 

出典・参考資料

 

 

このコラムの監修者

植谷医院 院長

植谷忠之(うえたに ただゆき)

日本内科学会認定医
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会専門医
愛知県難病指定医(内科・循環器内科)
AHA ACLSプロバイダー・BLSプロバイダー
日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
日本心血管インターベンション治療学会

 

HOME

ブログカレンダー

2026年7月
« 6月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME