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スペックルトラッキング(Speckle tracking)法による左室ストレイン解析について

[2022.07.04]

スペックルトラッキング(Speckle tracking)法は心筋(心臓の筋肉)の断層エコー画像上の小斑点(speckle)を追跡し,心筋局所の機能を解析する比較的新しい心臓超音波検査の方法です。これを利用して心臓の筋肉が拡張末期からどれくらい収縮したかを測定する方法をストレイン解析と呼びます。心臓の左心室において長軸(longitudinal)方向、円周(circumferential)方向、重心(radial)方向の3方向のストレイン解析がありますが現在長軸方向のストレインの平均値であるGLS(Global longitudinal strain)の計測が従来広く用いられているEF(Ejection fraction、左室駆出率)よりより早期に左室機能の障害を反映することが報告されています。

現在ストレイン解析は次のような目的で利用されています。

  • 左室収縮が維持された心不全(HFpEF)における左室機能の評価や治療効果の判定、予後の予測薬剤による左室障害の早期発見

高齢化にともない左室収縮の維持された心不全患者が増加しています。従来このような方は超音波検査などの画像診断による評価が困難と考えられていますがGLSの計測は治療効果の判定や心不全増悪の予測に有用であると報告されています。

  • 薬剤(抗がん剤や新型コロナウイルスワクチンなど)による左室機能障害の評価

近年さまざまな抗腫瘍薬の開発によりその副作用としての心機能障害が増加しがん治療の選択や治療継続の判断に心臓の評価を必要とすることが増えています。GLSの計測を継続的に行うことにより心機能障害を早期に発見することが可能になると考えられています。

  • 心臓アミロイドーシスなどの心筋症(二次性心筋症)の早期発見や評価

アミロイドーシスやファブリー病などと呼ばれる体内で異常に生成された物質が心臓の筋肉に沈着し障害を起こす難病があり、近年になりその治療薬が開発されたため早期発見が重要とされています。これらの疾患において左室駆出率より先行してGLSが低下することが報告されています。

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