頸動脈超音波検査
頸動脈超音波検査とは頸動脈に対して行う超音波検査のことです。脳梗塞の原因になるような高度な頸動脈狭窄の診断の他に全身における動脈硬化の進行を評価する目的でも行われます。
首にゼリーのついたプローベ(超音波発振機)を当てて、頸動脈のようすを観察していきます。検査中の苦痛は全くありません。検査を受けやすいように、首を出すことができる服を着ていきましょう。
頸動脈における動脈硬化を評価することにより全身の動脈硬化の進行を把握することができます。コレステロールの高い方や高血圧、糖尿病の方の動脈硬化の進行を判断するのに有用な検査です。
動脈硬化を起こすと血管壁が厚くなったり硬くなったりします。頸動脈大動脈から分岐し脳への血液を供給する大事な血管ですが比較的表面に近くを走行しているためその様子が超音波画像で簡単に確認できます。 被曝も痛みもありませんので、年月を追って動脈硬化の進み具合を知る事が簡単に出来、食生活の改善や運動療法、投薬などによる予防が可能です。
また急に手足に力が入らなくなったり、舌がもつれてうまく話せなくなるような脳梗塞を疑うような症状がある方に原因となるような頸動脈の病変を探すためにも必要な検査です。
最近日本で行われた研究(吹田研究)で頸動脈超音波検査で測定された最大IMT(頚動脈の内膜中膜複合体 動脈の壁の厚さ)が1mm増えると脳梗塞の危険性が約3倍、冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症など)の危険性が約2.8倍になることが報告されています(J Am Heart Assoc 2018;7:e007720)