くも膜下出血とは?前兆・発症後の注意点を医師が解説|桜本町・南区の循環器内科
はじめに
突然、強烈な頭痛に襲われた――それは、命に関わる「くも膜下出血」のサインかもしれません。くも膜下出血は脳卒中の一種で、前兆が乏しく、発症すると一刻を争う緊急疾患です。本記事では、名古屋市南区・桜本町エリアで循環器内科をお探しの方に向けて、くも膜下出血の特徴や前兆、当院の対応体制について詳しく解説します。
くも膜下出血とは?
発症メカニズムと原因
くも膜下出血とは、脳の表面を覆う「くも膜」の下にある血管が破れて出血する状態を指します。主な原因は脳動脈瘤の破裂です(出典:日本脳卒中学会)。その他、高血圧や脳の動静脈奇形、外傷なども原因となります。
くも膜下出血は脳出血の中でも致死率が高く、発症直後の対応が生死を左右します。(出典:厚生労働省)予後が悪く、社会復帰率も低いことから、早期発見と予防が極めて重要です。
発症年齢・性別の傾向
日本人における発症年齢は50〜60代が最も多く、女性にやや多い傾向があります。これは女性ホルモンの変化により、血管が弱くなることと関連していると考えられています。
前兆・典型的な症状
くも膜下出血の代表的な症状
- 突然の激しい頭痛
- 吐き気・嘔吐
- 意識の消失やけいれん
- 光過敏、項部硬直(首が動かしにくい)
- 呼吸異常や失禁
特に"バットで殴られたような頭痛"という表現が多く、日常生活に支障をきたす強い痛みが特徴です。
発症前に見られることがある"警告頭痛"
実は、動脈瘤が完全に破裂する前にいわゆる"警告頭痛"として、軽い頭痛が数日続くことがあります。これは見逃されがちですが、早期に専門医を受診することで命を救える可能性があります。
こんな症状は要注意!
- 突然始まる頭痛
- 後頭部を中心とした持続的な痛み
- 意識がぼんやりする、反応が鈍い
- 普段と異なる視界の異常やめまい
発症後の対応と治療の流れ
診断と初期対応
くも膜下出血が疑われる場合、まずCTスキャンで脳内の出血を確認します。CTで不明瞭な場合には、腰椎穿刺(脳脊髄液の検査)やMRIも行います(出典:国立循環器病研究センター)。早期診断がその後の手術や処置の成功率に直結します。
治療法と入院期間
- 脳動脈瘤のクリッピング術(開頭手術)
- コイル塞栓術(カテーテル手術)
- 再出血防止と血圧管理、脳血管攣縮の予防
発症後は、集中治療室(ICU)での管理が必要となり、入院期間は3週間〜2か月ほど。多くの患者がリハビリを経て社会復帰を目指します。
再発予防における心臓リハビリの役割
くも膜下出血は脳の疾患ではありますが、高血圧・動脈硬化・不整脈など循環器系の疾患が深く関与しています。そのため、心臓リハビリテーションによる全身の血管管理・運動療法が、再発防止や生活習慣改善に効果的です。
心臓リハビリの対象疾患にくも膜下出血は含まれる?
日本循環器学会のガイドラインにおいては、くも膜下出血単独は直接の対象ではないものの、高血圧・不整脈・心不全などを併発する場合は対象となることがあります(出典:日本循環器学会)。
当院でできること
当院では、心臓リハビリテーションに対応した医療機関との連携体制を整えており、退院後のリハビリや運動療法を希望される方への紹介が可能です。
地域の循環器内科としてできること|植谷医院の診療体制
専門医による診療と経験
当院院長・植谷忠之は、日本循環器学会認定専門医および日本心臓リハビリテーション学会指導士として、名古屋大学・中部労災病院などで長年にわたり循環器疾患の診療経験を積んできました。
最新のエビデンスと臨床知見をもとにした「確かな医療」に加え、患者様一人ひとりに対して丁寧に向き合う「安心できる医療」を提供できるよう常に心がけています。特に高齢の患者様に対しては、生活背景や家族の状況まで把握したうえで、生活習慣の改善指導や服薬管理などを含めた包括的なサポートを行っています。
地域密着のクリニック|名古屋市南区・桜本町のかかりつけ医に
便利なアクセス
当院は、名古屋市南区「桜本町交差点北」、地下鉄桜通線「桜本町駅」2番出口のすぐ目の前に位置しています。敷地内には15台分の駐車場を完備しており、電車・車のどちらでも通いやすい立地です。
一般内科・小児科・発熱外来との連携体制
循環器内科以外にも、植谷医院では一般内科・小児科、また発熱外来も設けており、ご家族全員の健康をまるごとサポートいたします。
よくある質問(FAQ)
Q. くも膜下出血はどの病院に行けばいいですか?
A. 頭痛が突然強く起きた場合は、脳神経外科・救急対応病院を速やかに受診してください。当院では、緊急性の判断や必要な場合の紹介が可能です。
Q. 血圧が高いのですが、予防できますか?
A. 高血圧は動脈瘤破裂の最大のリスクです。降圧薬と生活改善が再発予防に不可欠です。
Q. 心臓リハビリはどうやって始めるのですか?
A. 循環器内科での相談から始められます。当院では紹介・導入サポートも行っております。
まとめ|“違和感のある頭痛”は早めに循環器内科へ
●くも膜下出血は命に関わる病気であり、早期対応が鍵
●強い頭痛、意識障害、嘔吐などがある場合は迷わず受診を
●当院は、地域のかかりつけ医として、迅速な初期対応と病診連携を通じて患者様を支えます
桜本町・南区で循環器内科をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。
出典一覧
・日本脳卒中学会|脳卒中に関する基本情報
https://www.jsts.gr.jp/modules/public/index.php?content_id=1
・厚生労働省 e-ヘルスネット「くも膜下出血」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-006
・日本循環器学会「心臓リハビリテーション実施ガイドライン(2021年改訂版)」
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Makita.pdf
執筆者:
植谷医院 院長 植谷忠之(うえたに ただゆき)
日本内科学会認定医
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会専門医
愛知県難病指定医(内科・循環器内科)
AHA ACLSプロバイダー・BLSプロバイダー
日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
日本心血管インターベンション治療学会