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ヘリコバクター・ピロリ感染症

[2021.12.07]

ヘリコバクター・ピロリ (Helicobacter pylori) とは、ヒトなどの胃に生息するらせん型のグラム陰性微好気性細菌である。1983年にオーストラリアのロビン・ウォレンとバリー・マーシャルにより発見された。
ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼと呼ばれる酵素を産生しており、胃粘液中の尿素からアンモニアを生成し局所的に胃酸を中和することによって強い胃酸の中で生存することができる。
ヘリコバクター・ピロリの感染により慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌・MALTリンパ腫・びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・小児の鉄欠乏性貧血・慢性蕁麻疹などの疾患の発生に関与していることが報告されている。

胃の中に常在する菌で子供でも10%程度が感染していることから水や食物からの感染や家族からの感染が考えられています。胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因になり疫学的にも胃癌の要因となっていることが知られています。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍になった方、胃癌で胃の一部を切除したり内視鏡で切除したかたはこの菌の除菌(内服薬で菌を退治する)ことにより明らかに再発が抑制され有益であると考えられています。

また胃潰瘍や胃がんなどの病気にかかっていない人も除菌によって胃癌が予防できることがわかってきています(Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jul 22;(7))。

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