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アルコール性肝障害

[2021.12.07]

アルコール性肝障害(alcoholic liver disease)とはアルコールが原因で起こる様々な疾病の総称。具体的には、アルコール性肝炎、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝硬変などがある。

アルコールの過剰摂取で最初に生じるのはアルコール性脂肪肝です。それでもなお大量飲酒を続けると、約2割の人にアルコール性肝障害が起こります。  

アルコール性肝障害のなかには、肝性脳症(かんせいのうしょう)、肺炎、急性腎不全、消化管出血などの合併症やエンドトキシン血症などを伴い、1カ月以内に死亡する重症型アルコール性肝炎と呼ばれる病態があります。幸い重症化しない場合でも、長期に大量飲酒を続けるとアルコール性肝線維症(かんせんいしょう)をへて、アルコール性肝硬変(かんこうへん)になることがあります。  

飲酒の機会は男性に多いのですが、同じ量の長期大量飲酒だと女性のほうに早く肝障害が現れることがわかっていますので、注意が必要です。また、ウイルス性肝炎を合併している場合にはすみやかに肝硬変に進行し、肝細胞がんを合併しやすいので注意が必要です。 

アルコール性脂肪肝は日本酒換算で5合程度を5週間続けただけで引き起こされるので、大量飲酒者のほとんどに認められますが、通常は無症状です。3合以上の大量飲酒を続けると、2割の人がやがてアルコール性肝障害を発症し、一部症例では、発熱、黄疸(おうだん)、右上腹部痛、肝臓の圧痛、食欲不振、嘔吐、下痢などの自覚症状を訴えます。  

さらに進行してアルコール性肝硬変に至ると、しばしば糖尿病、下肢の浮腫、黄疸、腹水、痔出血、吐血を認めるようになります。  日ごろから、肝機能や膵機能、空腹時血糖に異常がないかどうか定期検診を受けることが大切です。アルコール性肝障害では肝臓の線維化が進んでも、しばしば血液検査で異常が見つからない場合もあるので、詳しく肝臓の状態を知るためには腹部超音波検査や肝生検が必要になります。  

大量飲酒を20年続けると肝硬変になる可能性が高くなります。また、女性ではその3分の2の飲酒を12年間程度続けると肝硬変になる可能性が高いので、日々の飲酒量をチェックすることが最も大切です。

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