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胃癌

[2021.12.08]

胃癌(いがん gastric cancer)は、に生じる悪性腫瘍の総称。

 

胃がんは、胃袋の内側表面にある胃粘膜上皮の細胞が、何らかの原因でがん化して無秩序に増殖するため食物が胃を通れなくなったり、がん細胞が周囲の臓器に広がったり全身に転移することにより死に至る病気です。胃がんが発生してから内視鏡(胃カメラ)や造影検査(バリウム造影)で見つけられる大きさになるまでには、何年もかかるといわれています。

胃がんの発生にはヘリコバクター・ピロリ菌が大きく関与していると考えられます。ヘリコバクター・ピロリ菌が感染することにより胃袋の内側の粘膜の胃底腺組織が減少し粘膜が薄くなってしまいます。これを萎縮性胃炎と呼んでいますが萎縮性胃炎が進行するにつれ発がんするリスクが増大するとされています。またヘリコバクター・ピロリ菌感染があるだけでも胃がんになるリスクが5倍程度高くなると報告されています(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2006 Jul;15(7):1341-7.)。

またメカニズムは完全には解明されていませんが食塩の摂取量が胃がんの発生と関係していることが指摘されています。喫煙者は非喫煙者と比べ2倍程度胃がんになりやすく、飲酒により胃がん全体の発生率は増加しませんが胃の上部(噴門部)のがんは増加すると報告されています(Int J Cancer. 2002 Oct 20;101(6):560-6.)。

胃がんは早期ではほとんど自覚症状はなく、かなり進行すると体重減少や食欲が低下するなどの症状が出ます。胃の痛みや不快感がきっかけとなり検査で胃がんの見つかることも珍しくありませんが、きっかけとなる症状は胃炎など胃がんと関係ない病気の症状の場合が多いと考えられます。

胃がんを確実に診断するためには内視鏡を使って採取した病変部を顕微鏡で観察する病理組織検査が行われます。顕微鏡で観察することによりその組織型で分類すると胃がんのほとんどを腺がんが占めています。細胞の分化度(細胞の成熟の程度)は、大きく分類すると分化型と未分化型に分けられ、一般的に、分化型は進行が緩やかで、未分化型はがん細胞の増殖が速いため進行が速い傾向があるといわれています。

胃がんの治療法や予後(生存期間・死亡率など今後の病状についての医学的な見通し)は深達度(胃の壁のどの深さまでがんが達しているか)や他の臓器やリンパ節への転移の有無などによって異なります。内視鏡による治療や手術(開腹手術・腹腔鏡下手術)、化学療法が行われます。他のがんと比べ放射線治療はあまり行われません。

早期に発見され治療されればほぼ完治が期待できます。胃癌全体では5年生存率(診断から5年以上生存している患者さんの割合)は70%程度です。

早期胃がんは、多くの患者さんが検診によって発見されています。胃がんの場合は検診により胃がん死亡・総死亡(全ての原因による死亡)を減少させることが報告されています(Int J Cancer. 2006 May 1;118(9):2315-21.)。

胃の検査方法として一般的なものは、胃X線検査および胃内視鏡検査です。

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