脳内出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳のなか(大脳、小脳および脳幹(のうかん)の脳実質内)に出血した状態をいう。そのために意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れる。出血量が大きくなると血腫や脳浮腫(のうふしゅ)によって頭蓋内圧が高くなって脳ヘルニアを起こし、重い場合は脳幹部が圧迫されて死に至る。クモ膜下出血・硬膜下血腫・出血性脳梗塞などどまとめて脳出血と呼ばれる。

脳出血の概要

脳内の血管が破綻し出血する脳出血は高血圧が原因となる高血圧性脳出血が最も多く半数以上を占めています。血管の病変をみてみると、脳内の100〜300μmの細い小動脈に血管壊死(けっかんえし)という動脈硬化を基盤とした病変ができこの部位の破裂が脳出血の原因になります。そのほか、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)、脳動静脈奇形(のうどうじょうみゃくきけい)の破綻(はたん)、腫瘍内出血(しゅようないしゅっけつ)、脳の外傷、白血病(はっけつびょう)などの血液疾患が原因になります。高齢者では血管の壁に老人性変化のひとつであるアミロイドが沈着して脳出血の原因になることがあります。出血部位により、被殻出血、視床出血、皮質下出血、脳幹出血、小脳出血にわけられ、発症部位により症状は異なります。 このうち最も頻度が高いのは被殻(ひかく)出血(40%)と視床(ししょう)出血(35%)です。

脳出血の症状

脳出血は出血した部位により様々な症状が生じますが、主なものは頭痛、麻痺(手足など体の一部に力が入らなくなったり思ったように動かせなくなることを麻痺といいます。多くの場合は、片方の上肢・下肢・顔面が麻痺しこれを片麻痺と呼びます。)、感覚障害や意識障害が生じます。少しずつ悪化する事はまれで、短い時間の間に症状の変化を招く事が多く、救急車で来院される事がほとんどです。

脳出血の治療

薬による治療(内科治療、保存的な治療)と手術による治療(外科治療)があり多くは、出血の量と症状の強さ、治療中の容態の変化などによって治療の時期や内容が決められます。主に出血量が少なく症状が軽度である場合や全身状態が安定していない場合に薬の治療(内科治療)を中心に考え、出血が多く症状の進行を内科治療でコントロールできない場合に手術治療(外科治療)が選択されることがあります。
脳内出血を起こした直後の患者さんは、高血圧などで全身状態が安定していない場合が多く安静にしたり血圧を下げる薬を用いて血圧や脈拍数を安定させます。安定した段階で、運動麻痺等の症状に対するリハビリテーションを開始します。その他には脳浮腫(出血部の周りの脳のむくみ)や胃潰瘍(脳卒中を起こした際に高率に併せて起こす事が知られています)に対する治療が行われていきます。脳内にある血腫の量を減らして、周囲の脳のダメージを減らす目的で開頭手術が行われる場合があります。残念ながら、失っている(出血によって深く傷付いた)脳の機能を回復させる手術法は無く、全ての脳出血に手術が行われている訳ではありません。

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