インフルエンザ感染症
感染症の概要
インフルエンザは インフルエンザウイルス(A型・B型など) による感染症です。
毎年 冬に流行 し、普通の風邪と比べて 高熱や全身のだるさが強く、重症化することもあります。
特に高齢者や持病のある方、乳幼児は重症化しやすい ため注意が必要です。
インフルエンザは 毎年少しずつ変異するため、流行する型が毎年変わります。
そのため 毎年のワクチン接種 が推奨されています。
感染経路
インフルエンザは 人から人へ 感染します。主な感染経路は次の2つです。
1. 飛沫感染
- 感染者の 咳やくしゃみ に含まれるウイルスを吸い込むことで感染
- 特に 人が多い場所 では感染のリスクが高い
2. 接触感染
- ウイルスが付着した手 で 口や鼻を触る ことで感染
- ドアノブ、電車のつり革、スマホなど にウイルスが付着し、それを触ることで感染することもある
インフルエンザウイルスは環境中でも生存できるため、手洗いや消毒が重要 です。
症状
インフルエンザは 突然発症 し、以下のような症状が現れます。
主な症状
- 高熱(38℃以上)(※急に高熱が出るのが特徴)
- 強い倦怠感(だるさ)
- 筋肉痛、関節痛
- 頭痛
- 咳、のどの痛み
- 鼻水、鼻づまり
- 寒気(悪寒)
- 食欲不振
子どもに多い症状
- 嘔吐や下痢
- けいれん(まれに発生)
症状の経過
- 発症から1~3日目 に最も症状が強くなる
- 約1週間程度 で回復する
- 咳や倦怠感が長引くことがある(2週間ほど)
主な合併症・注意すべき合併症
インフルエンザは 重症化すると危険な合併症 を引き起こすことがあります。
特に 高齢者、持病のある方、乳幼児 では重症化のリスクが高いため注意が必要です。
重症化すると起こる合併症
- 肺炎(ウイルス性肺炎・細菌性肺炎)
- 気管支炎
- インフルエンザ脳症(特に小児)
- 心筋炎・心不全
- 筋炎・横紋筋融解症
特に注意が必要な症状
以下の症状がある場合、すぐに医療機関を受診する 必要があります。
- 呼吸が苦しい、息切れ
- 意識がもうろうとしている
- けいれんが起こる
- 高熱が長く続く(3日以上)
- 水分が取れず、脱水症状がある
治療
インフルエンザの治療には 抗ウイルス薬 が使われることがあります。
また、症状をやわらげるための対症療法 も重要です。
抗ウイルス薬
- タミフル(オセルタミビル)
- リレンザ(ザナミビル)
- イナビル(ラニナミビル)
- ゾフルーザ(バロキサビル)
抗ウイルス薬は 発症から48時間以内に服用すると効果的 です。
※ 重症化リスクがある人は早めに受診し、治療を開始することが推奨 されます。
対症療法
- 解熱剤(カロナールなど)を使用する
- 咳や鼻水を和らげる薬を使用する
- 水分補給をしっかり行う
- 消化の良い食事を摂る
療養上注意すべき点
1. 安静にしてしっかり休む
- 高熱が出るため、無理に動かず休養する
- 体力を回復させることが大切
2. 水分補給をこまめに行う
- 発熱や汗で水分が失われるため、脱水を防ぐ
- スポーツドリンクや経口補水液が有効
3. うつさないように注意する
- 発症から1週間程度は感染力がある
- 家族にうつさないように、マスクをする
- こまめに手洗い・消毒を行う
- 人との接触を避ける
予防方法・ワクチンの有無
1. インフルエンザワクチン
- 毎年のワクチン接種が推奨される
- ワクチンを打つことで発症を防ぐ効果・重症化を防ぐ効果がある
- 特に高齢者、持病のある人、妊婦、医療従事者は接種が推奨される
- ワクチンの効果は約半年間続く
2. 手洗い・うがい・消毒
- 手洗いをしっかり行う
- アルコール消毒を活用する
3. マスクの着用
- 飛沫感染を防ぐために有効
- 咳やくしゃみが出る場合は必ず着用する
4. 規則正しい生活で免疫を高める
- 十分な睡眠をとる
- 栄養バランスの良い食事をする
- 適度な運動を心がける
まとめ
- インフルエンザは毎年冬に流行する感染症
- 発熱や全身の症状が強く、重症化することもある
- 飛沫感染・接触感染でうつるため、手洗いやマスクが重要
- ワクチン接種で予防が可能
- 抗ウイルス薬は発症後48時間以内に服用すると効果的
- 重症化リスクがある人は早めの受診が必要
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