心筋梗塞(しんきんこうそく、英: Myocardial Infarction)は、虚血性心疾患のうちの一つ。心臓の筋肉細胞に酸素や栄養を供給している冠動脈血管に閉塞や狭窄などが起きて血液の流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態[1]。通常は急性に起こる「急性心筋梗塞 (AMI) 」のことを指す。心臓麻痺・心臓発作(ハートアタック、英: Heart attack)とも呼ばれる。

心筋梗塞の概要

心臓は1日に約10万回程度休むことなく動いています。このポンプに血液を供給するのが心臓を取り囲むように流れる冠動脈(冠状動脈)です。

冠動脈の動脈硬化で壁のふくらんだところが傷ついたり血のかたまり(血栓)ができて血管が完全にふさがってしまうとその部分の心筋細胞が壊死(酸素や栄養が供給されず細胞が死ぬこと)して、胸や背中・喉・肩などに痛みや不快感を感じます。この状態を急性心筋梗塞症と呼びます。

心筋の壊死が進行することにより心機能が低下して心不全になったり、心臓に穴が開いたり、心臓が止まってしまうような不整脈が出現することにより命に関わる危険な状態です。

冠動脈が完全につまっていなくても動脈硬化に血栓がありつまりかかっている状態を含めて急性冠症候群と呼んでいます。安静にしていても収まりにくい症状や軽い作業などで症状が出る場合は急性冠症候群の可能性があります。症状が完全に治まってしまうと心電図などの検査でも異常が見つからない場合があるので疑わしい症状の場合は検査に異常がなくても入院して冠動脈造影などの検査をしたり経過観察する場合があります。

心筋梗塞の症状

心筋梗塞の症状は典型的には前胸部(胸の真ん中、みぞおちから上の両乳首の間)の締め付けられるような感覚(絞扼感)とされていますが、背中・肩や首の痛み・違和感や呼吸の苦しさ、顎や歯の痛みのような不快感、上腹部の痛み・不快感など様々な症状があります。特に高齢や糖尿病の方でははっきりとした症状がなく全身倦怠感や食欲不振、風邪のような症状として受診される方もあります。

心筋梗塞の診断

多くの場合症状や危険因子(高血圧・糖尿病・家族歴など心筋梗塞を起こしやすい要因)などの病歴と心電図検査で診断することが可能です。心筋炎や大動脈解離などと区別したり心臓破裂などの合併症の確認を行うために心臓超音波検査や胸部レントゲン検査を行います。また心筋梗塞と確定した場合詰まった血管を特定し治療を行うため多くの場合緊急冠動脈造影(体にカテーテルという細い管を入れて直接心臓の血管に造影剤を注入してレントゲンで撮影する方法)を行います。

心筋梗塞の治療

心筋梗塞は発症してなるべく早く血管の詰まった場所を開けて血流を再開することが必要です。通常は心臓カテーテルを使って手や足の血管から管をいれて血管を通して冠動脈を広げる治療を行います。発症して1~3週間程度は合併症の危険性があるため心臓の壊死の範囲や全身状態に応じて入院が必要となります。

退院後も広範囲に心筋梗塞になった方は心不全になる危険性が高いため心不全に対する治療や予防を続けていくことが必要です。血栓症は再発しやすいため動脈硬化の進行を抑える治療(抗血栓薬やコレステロール降下剤など)や運動・食事制限が必要です。喫煙は冠動脈を直接収縮させ血栓症を起こしやすくするため必ず必要となります。

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